OSSは無料ではなく、自由なソフトウェアです!ビジネスに導入する前に考えるべきこと
OSSを導入する前に考えるべきこと
- ライセンス
- セキュリティ
- 保守性
- サポート
- プライバシーポリシー
OSSのライセンス体系
OSSのライセンスとしてよく知られているのが、GPLライセンスとBSDライセンスです。
コードの閲覧、ソフトウェアの利用や頒布などはどちらも自由に行うことができます。
ざっくり違いをいうと
BSDでは、ソースコードを改変した場合でも公開する義務はない。
という点です。
なのでGPLライセンスのソフトウェアを改変する際は、法的にソースコードの公開を求められることがあるので、注意する必要があります。
※利用するときには、さらによくライセンスの内容を確認する必要があります。
OSSのセキュリティ
OSSのセキュリティの強さは、多くの人がコードを管理しているという点で保証されています。
しかし、セキュリティホールが見つかった場合でも、ソフトウェアの提供者は、それを修正する義務はありません。
逆にプロプライエタリソフトウェアの場合、ほぼ確実に販売者が、見つかったセキュリティホール修正してくれます。
OSSの保守性
OSSの場合、全てのコードが公開されているため、詳しいエンジニアであれば、かなり深い部分まで、パラメータを変更したりすることが可能で、迅速に柔軟な対応をすることができます。
プロプライエタリソフトウェアの場合、うまくブラックボックス化しているので、 ソフトウェアの中心部について詳しくなくても十分保守することができます。また困ったときは販売業者に対応してもらうことができます。しかし、システムの深い部分は見られないので、柔軟な対応が難しいことがあります。
OSSのサポート
OSSのサポートは、親切な誰かに無料で、もしくはサポートをしてくれる企業に大金を払ってやってもらいます。
無料でサポートを期待する際は、必ずしもサポートをうけられるわけでもなく、いつサポートを受けられるかわかりません。
企業にサポートを依頼する場合、迅速で確実な対応をしてもらえますが、同等なプロプライエタリソフトウェアが買えるぐらいの大金を払わないといけない場合が多いと思います。
OSSのプライバシーポリシー
OSSの場合、全ての動作を確認することができるので、プライバシーポリシーがちゃんと保たれているか確認することができます。
プロプライエタリソフトウェアの場合、規約上はプライバシーポリシーは保たれますが、それがきちんと行われているかはユーザー側で把握することはできません。
OSSをビジネスに使う場合は、コスパをしっかり考えよう!
OSSを趣味ではなく、ビジネスで利用する場合は、無料でなんでもできると考えているとダメです。
ビジネスでOSSを使う場合や、自社のセキュリティ規約を破っていないか、また運用にかかる人件費を考慮したときに、プロプライエタリソフトウェアにかかる費用を上まっていないか、ということについてよく考えて利用する必要があります。
マイクロソフト製オープンソースソフトウェアに要注意
最近、マイクロソフト製のオープンソースソフトウェアが増えています。
例えば、Linux上で動く.NETプラットフォームmonoや同じくLinux上で動作するウェブサービスプラットフォームである.NET core版のASP.NET core などです。
これらのソフトウェアは、マイクロソフト製品でありながらも、OSSソフトウェアなのでマイクロソフトのサポートを受けることができず、自己責任での利用になります。
OSSのコミュニティーにマイクロソフトの社員が、積極的に参加しているため、何かソフトウェアに問題があった場合、報告することはできますが、いつその問題が解決するかわかりません。
ビジネスに影響するような問題があった場合、OSSを自分で直すことができるという覚悟を持って利用する必要があり、ビジネスにおいては、それにかかる費用を考慮する必要があります。