zirconsoft’s blog

Microsoft関係について取り上げます。

アラン・ケイが描いた未来

アラン・ケイ」という本を読みました。

Amazonで中古の「アラン・ケイ」という本を買って読みました。
アラン・ケイの3つの論文と、一つの講演を書き起こした文章、そして評伝がまとめられた本です。

アラン・ケイ (Ascii books)

アラン・ケイ (Ascii books)

アラン・ケイとは

アラン・ケイは1940年生まれのコンピュータ学者であり、ビジョナリーであり、音楽家です。
グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を重視した個人向けコンピュータ、パーソナルコンピュータという概念を生み出しました。
そして、コンピュータリテラシーという言葉を生み出したのもアラン・ケイです。

なぜこの本を読んだのか

アラン・ケイ」という人の名前が書籍名なので、ちょっと買うときに戸惑いがあったのですが、アラン・ケイについて書かれた本が和書だとほかになさそうなので、この本を買いました。
ビルゲイツとスティーブジョブスの話題をするときに、よくWindowsMacintoshどっちの方が先にGUIを採用したのか、どっちがパクったのかという話題になるときがあります。
諸説ありますが、GUIを採用したOSは、当時アラン・ケイが務めていたXerox社のパロアルト研究所が開発したアルトというOSです。
その後、Apple社のLisaというあまり有名ではないOSが生まれ、MicrosoftWindowsAppleMacintoshが生まれます。
Microsoftの支持者としては、Windowsの方がMachintoshの方が速かったといえるのですが、企業としては、Appleの方が先です。
こういった論争について気になっていたので、本当のオリジナルのGUIを開発したアラン・ケイという人物に興味をもちました。
またオブジェクト指向プログラミング言語Smalltalkの開発者としても興味がありました。

本を読んでわかったこと

MIcrosoftAppleアラン・ケイの思想を大きく取り入れていて、アルトの持っているGUIオブジェクト指向を重視した設計は、WindowsMacintoshと似ているところがあります。
特にAppleの開発したコンピュータはアラン・ケイのから強く影響を受けいていると思いました。
なぜなら、アラン・ケイが描いたダイナブック東芝のノートパソコンではない)という理想のコンピュータのスケッチがiPadそっくりだからです。
またAppleがOS単体で販売しない理由であるハードとソフトは2つで1つであるという考え方も実は、アラン・ケイが提唱したものです。

感想

コンピュータの歴史上とても重要な人物であるアラン・ケイ、もっとその人物について知る機会が増えたらいいなと思いました。
1992年に発売された本ですが、アラン・ケイの思想を知るうえで、非常に価値がある本なので、これからも手に入れやすい形で読み継がれたら良いなぁと思います。